安全第一がモットーだった男が投資を始めたきっかけ①
「人生100年時代」。最近よく聞く言葉ですよね。
TVのCMやSNSの広告でもよく取り上げられているのを見ます。
個人的にはこのキャッチフレーズがどうも好きになれないのですが、それはさておき平均寿命が80歳を超えている現代です。今後私たちが定年を迎えるころには平均寿命がもっと延びているでしょう。そうなったら本当に100歳くらいまで生きることを考え、備えておかなければならない。
では、お前はどのように備えているんだと問われれば、毎月投資信託を積み立てています。積み立ては社会人になった時からしています。
私は性格的にリスクをとることが大嫌いで常に安全な道を選ぶタイプです。
例えば、高校受験の時に選んだ学校は自分の学力よりも若干レベルを下げたところでした。周りからはもっと上を目指せとも言われましたが、入学後の授業についていけるかどうかが不安だったからです。必死になって勉強するよりは、多少の余裕をもって勉強した方が自分に合っていると考えていました。
その目論見通り、高校入学後はそれほど勉強に困ることはありませんでした。大学受験を迎えたときも、行きたい大学の推薦枠がちょうどあったのでそれを活用しました。
話がだいぶ逸れましたが、このように進学関係を切り取ってみれば私がいかに安全な道を歩んできたかが分かると思います(笑)。
そんな私が投資に目覚めたのは、今思えば自分でも驚きです。投資を勉強するまでは例にもれず「投資=博打」と思っていましたから。それがある本との出会いによって、認識が変わりました。
◆投資との出会い:突然、親が投資の重要性を説き始めた
私が投資に関心を持ったのは、まず親が投資に関心を持ったからでした。
これからの時代は低金利が続くため、預金しておくだけではお金はいっこうに増えず老後には資産が枯渇するだろう。だから、ある程度のお金を投資に回してお金を増やしておかなければならない、そんなようなことを言い始めたのがきっかけだったと思います。
私は、それまで「投資=博打」で絶対に手をつけてはいけないものという認識でいたので、「おいおい、大丈夫かよ」と心配でなりませんでした。
私の親も私に負けず劣らず慎重派です。まさにこの親にしてこの子ありという感じです。
そんな人が今までやったことのない投資の世界に足を踏み入れ、結果的には大損を出し、にっちもさっちもいかなくなり一家で心中・・・。
投資こわすぎ。 私の中でははっきりとその道が見えました。最悪のケースを想定することは得意中の得意ですから。
(全く関係ないけど、人がある思想や主義に目覚める瞬間ってこういう感じなんだろうなと思いました。それまで思想のしの字も言ってなかった人が、突然雷に打たれたがごとく、周囲にその素晴らしさを語り始めるといったような。)
このままでは一家が崩壊しかねない。当時は本気でそう思いました。他の家族は「ふーん、でも投資って危ないんでしょう?」くらいの感じでまともに取り合おうとしない。
だったら、その主張を私だけでもしっかり検討してその誤りを指摘し思いとどまらせなければ。
そんな謎の使命感に燃えながら、とりあえず親の言い分を聞くことから始まりました。
◆つみたて投資との出会い
自分が説明するよりこれを読んだ方が早い、と言われてある本を渡されました。
それが「半値になっても儲かる『つみてた投資』」(講談社+α・著:星野泰平)でした。
この本は、毎月積み立てを行う投資法(ドルコスト平均法)について解説している本です。
とても分かりやすく初心者にはピッタリだと思います。
しかし、最初この本を渡されて時は「いよいよやばい。。めっちゃ怪しい本じゃん!」と思いました。
半値になっても儲かる?いやいやだったらどうして投資で損して自殺する人がいるのよ。
これは投資を怖いものと思いつつ、でも気になるという層をターゲットに投資の世界に引きずり入れるための本だろう。
そうして投資を始めた人がその後どういう末路を辿るかなんて著者は全く気にしないんだ。
自分さえ儲かればいいというやつだ。なんてけしからん。
お、著者は知ってる高校出身の人じゃん。なんか親近感湧くなあ。
そんなことを思いつつ、本を読み進めました。
内容としては、図解も豊富で過去の株式相場を基にした複数のシュミレーションも記載されています。
表題にある「半値になっても儲かる」というところは何回も読み直し、実際に計算したりもしました。多分気が済むまで2週間くらい読み返したり試算したと思います。
結果的に「この本、すげえ」ってなりました。
ざっくり言ってしまえば、
一般的に投資といえば「安い時に買って高い時に売る」ことで利益を得ます。
そのため、「買いつけ時の値段」よりも「売るときの値段」が高くなるのを見計らう必要がある。いわゆる一括投資というやつです。
一方、ドルコスト平均法は定期的に一定額で投資商品の買い付けを行う。そのため、相場が高騰していれば高値掴みになるし、暴落していれば安値で買うことができる。
しかし、ポイントは買い付けの値段ではなくどれだけの口数が買えたかということです。
1万円で100口買える投資商品があるとします。
それに毎月1万円を投資していくとして、1回目の買い付け時の価格が2万円に高騰していれば、50口購入することになります。
2回目の買い付け価格が5,000円まで下がっていれば、200口買うことができます。
このようにこの投資法を実践すれば、相場が高い時には少なく買い、低い時には多く買うということが自動的になされるのです。
売却するときはどうかというと、
ドルコスト平均法では、売却時の「価格×口数」で損益が決まります。
一方、一括投資は、「売却時の値段」と「購入時の値段」の差によって損益が決まります。
ドルコスト平均法は長期間で続けることで負ける確率が下がっていくようです。(厳密には違うみたいですが)
必ず儲かるという保証はないけど、また大きく儲かるということもないけど、長年続けることによってある程度のリターンは望めそう。とはいえ、相場の下落基調が長く続いているときに売却すれば損することもあるみたいだけど。
ちなみに、著者の方はドルコスト平均法についての講演を行いながらその普及に努めているそうです。本にある解説はとてもわかりやすいです。「めっちゃ怪しい」とか「けしからん」とかいって本当にすみませんでした。。(平謝り)
相場は絶えず変動し、プロであっても予測することは難しいと聞きます。
ましてや素人の私にそんなことができるはずもない。そもそも、そんなにお金が欲しいとも思わない。もちろん、あるに越したことはないですけど。
でもこの投資法なら自分でもできる気がする。毎月少額から拠出するものだから給料から捻出できればすぐ実行可能だし。
親が始めようとしている投資は、どうやらそんなにやばいものではなさそうだ。比較的リスクを抑えたもののようだし。
ということで、最終的にはまんまと投資の世界に興味を持つようになったわけであります。
しかし、始められそうとは言うものの、わざわざ損するリスクをとってまで始める必要性があるのか。それについて、自分の中でどう折り合いをつけたのかはまた別の記事に書いてみます。
※言わずもがなですが投資は自己責任でお願いします。