安全第一がモットーだった男が投資を始めたきっかけ②
前回は突然親が投資の重要性を説き始め、それに批判をするつもりが逆に投資の世界に関心を持つようになった経緯について書きました。
今回は、私が考えた投資の必要性について書きます。
◆預金し続けた場合と投資した場合のシミュレーションをしてみた
「半値になっても儲かる『つみたて投資』」を読んで以来、投資の世界に興味を持ったわけですが、果たしてここに書いてあることは正しいのかということを調べてみたくなりました。
投資に関する本(主に投資信託)を数冊読んだり、ネットで検索してみるなどなど。
すると、あまりメジャーな投資法ではなさそうだが長年実践している方がいるらしいことが判明。リーマンショック前からコツコツ投資信託を買い続けて、現在はかなり大きな利益が出ている人もいるようだ。
積み立て投資は大金持ちの人というより普通の人がやっている投資法であるということが分かりました。
そのように気になるものを片っ端から調べていく中で、楽天証券の投資シミュレーションを知りました。
このツールを利用すると、毎月の掛け金や期待リターンなどを設定することで、お金がどれくらい増えるかを試算することができます。
確か株式の投資信託の過去の平均利率は4%くらいだったなと思い試算を実行。
毎月の掛け金は1万円、40年間積み立てた場合を想定しました。
結果がこちら。
なるほど。シミュレーション通りであれば最終的に一千万円以上になるのか。
運用収益だけで700万円にもなる。すごい。
それでは、同じ期間同じ金額をメガバンクに預けた場合はどうなるんじゃ。
その結果がこちら。
運用益9,593円・・・
40年間同じ金額を積み立てているのにこんなにも違いが出てくるとは、、
資産の置き場所を変えるだけでこれほどまで大きな差が生じるようです。オソロシイ
もちろん、年率4%というのは過去の株式相場の成長率であり、今後も同じように成長するとは限りません。
運用益が700万円だったとしても現行の税率ままであれば約20%は税金で持っていかれます。手元に残るのは560万円ほどです。
また、銀行の金利だって今後40年間金利が上がらないままとも限りません。
現在は日銀による異次元の金融緩和によって金利が異常に低く据え置かれています。ただ、金融緩和は日本経済のデフレ脱却のために取っている非常措置です。
世界を見ればリーマンショック以降、経済が持ち直してきた欧州や米国では金利の引き上げが行われています。(最近は足踏みが続いているようだけど。)
いずれ日銀も金融引き締めを行うときが来るはずです。でないと、次の大恐慌の時に打つ手がなくなってしまう。ですから、今すぐではないにしても徐々に金利は上がってくるのではないかと考えます。
けど、銀行の預金利率が4%以上になることはないんじゃないかな。。
高度経済期の金利は8%程度だったといいます。高度成長期まではいかないとしても、中程度の成長・・・というか今後人口がどんどん減少していく日本で低成長を抜け出すことは容易ではないんじゃなかろうか。
ちなみに保有資産が2倍になるまでの期間をざっくり計算する方法として「72の法則」というのがあるそうです。高度成長期では「72÷8=9年」、約10年で資産が倍になっていたようです。
銀行に預けるだけのほぼノーリスクで着実に資産を増やせるとかどんだけイージーだったんだ。。いい時代だったんだな。
それはともかく、ただ銀行に預けているだけではお金はいっこうに増えない。だったらなるべく低いリスクでお金を増やせる方が良いなと考えるようになりました。
ドルコスト平均法によれば、長期間投資し続けた方が挽回のチャンスがあるようです。そのことからも私が現在持つ一番の武器は時間があることだと言えます。
これに加えてもう一つ、本を読んでいる中で私が投資をした方が良さそうだと判断したことがあります。それがインフレ対策です。
◆インフレは恐ろしい
「失われた20年」と言われるデフレ時代の続いた日本では、インフレの脅威を感じることはまずなかったでしょう。
まずインフレ(インフレーション)とは何ぞや?というのを一応確認しておくと、
インフレーションとは、インフレともよばれ、貨幣価値の低下により、財やサービスの価格が上昇することを指す。要は物価上昇のこと。「金融・経済用語辞典」
ということだそうです。
今まで10,000円で買えていたものが1%の物価上昇により10,100円出さなければならなくなるという状態。同じ商品なのに100円多く出さなければならなくなるという点で、1万円札そのものの価値が低下したということですね。
ここ数年の日本の物価推移はどうなっているかといえば、大きく変化はしていないけれども確実に物価が上昇しています。
以下のサイトをご覧いただくと、過去30年ほどの物価推移が分かります。
ところで、経済成長にとってちょうど良いとされるインフレ率は2%程度だそうです。だから日銀は長いこと物価上昇率2%を目標に掲げて今も金融緩和を続けているのです。
仮に2%のインフレが達成され維持された場合に、給料も2%以上で上がってくれれば問題ないでしょう。しかし、伸び率がそこまでにならないとき、あるいは、失業期間が長く続くようなことがあれば、保有する資産はみるみる減っていくことになります。
見落としてはならないのが「年率」2%ということです。これは、今年2%上昇すれば来年はそこからさらに2%上昇することを意味します。
試しに計算してみると、毎年2%の上昇が10年続くと、当時1万円だったものを買うには10年後では12,180円支払う必要があります。
このように資産が確実に目減りしていくものの、それに気が付きにくいのがインフレの怖さだと思います。インフレは一気にくるものではありません。毎年数円~数十円ずつ徐々に上がっていき、我々の家計にボディーブローのようにダメージを与えていきます。
長期的には物価が上昇するよう日銀や政府が必死になってやっているわけですから、それに対応して自らの資産を守る必要がありそうです。
対応策の一つとして、収入を増やすことが考えられるでしょう。
しかしそれはちょっと難しそう。私の勤めているところは副業が禁止されています。しかも長く勤めたところでそんなに大金を稼げるようなでも業種でもない。かといって、今のところは仕事内容に不満もなく、むしろやりたいことをやれている。
では家計を切り詰めてコツコツ貯金をすればよいか。
確かに銀行により多くのお金を預けられれば、それによって資産が減ることはないでしょう。
しかしインフレを考慮した時、預金の金利が見込めない以上、確実に資産は減少すると思われる。
リスクを恐れるあまり何もしないでいると、かえって負け確定のゲームに臨むことになります。ノーリスクでいることの方がリスクになりうる。
それならばお金に働いてもらう他はない。色々調べてみて長期的にはインフレ傾向になりそうなこと、ドルコスト平均法なら大損するということもなさそうだし。
確かに投資信託のようなリスク資産は損失が発生する可能性を避けることができない。
でも、全体としてみた時に、長期的に運用していた方がの資産の減少幅を小さくすることができるのではないか。
そう考えるようになり、積み立て投資を始めようと決意したのでした。
次の記事では、どれくらいの金額を投資に充てるかを決めたときのことを書いてみようと思います。
※言わずもがなですが、投資は自己責任でお願いします。