こけろうの節約&長期投資ブログ

こけろうの節約&長期投資ブログ

20代独身一人暮らし。インデックス投資をやっていますが、基本ほったらかしなので趣味や考えたことの投稿がメインになっています。

スマホを控えると思考のための時間が作れる

前回の記事ではSNS疲れをテーマに、ときにはSNSから距離を置く必要があるということを書きました。

 

srcalmry.hatenablog.com

 

ざっくりまとめると、

私たちは日々いろんな情報にさらされることで無意味な焦りや怒りを感じることにつながり、心が疲弊してしまうことがあること。

また、ちょっとしたすき間時間にも無意識にスマホをいじっていると、脳の休まる時間が確保できないのではないか。

そのため、自分をオフラインにする時間を意識的に設けよう、というものです。

 

前回の記事はどちらかというとSNS疲れから自分を守るための防衛策に焦点を当てました。

今回はオフライン化することの利点について考えてみようと思います。

 

 

通勤中をオフライン化するススメ

ところで、みなさんは通勤の移動中に何をしていますか?

公共交通機関を利用して通勤している場合、移動中はまとまった時間が確保できます。私はバスに乗っている約20分間、電子版の日経新聞を読んでいることが多いです。

ところが前回の記事を書いて以降、新聞を読むのを控えてみました。その代わりぼーっとしたり車内の人々を観察してみたり、車窓から見える景色を眺めています

すると、ただ時間を浪費しているだけに見えても、これはこれでアリなんじゃないかと思うようになりました。

 

変わりばえのない日常から思考を訓練する

毎日同じ時間のバスに乗っていると乗客はだいたい同じ顔触れです。路線バスなので通る道も毎日同じ。すると一見、判を押したように同じ日々が続いているように感じるものです。

しかしバス車内でのオフライン化を始めてみて、同じような毎日であっても思考のネタになることが案外あるということに気がつきました。

 

先日気になったことは、バスが終点の最寄駅に着いて乗客が下りるときのことです。

乗客の中にはバスが停止する少し前から座席を立つ人がいます。また、停車した後は出口に向かう列へ次々と割り込んでいく人も見かけます。

私はたいてい最後まで残り、危険だなあと思う一方で「一番最後に降りたとしてもその差は1~2分程度だというのに、なぜみんな早く降りたがるのか?」と疑問を持ちました。

 

降りた後の人々を観察してみましたが、ほとんどの人は急いでいる風ではありません。その証拠にエスカレーターを駆け上がるわけでもなく、お行儀よく並んで上っていきます。

とりあえずこの疑問を携帯のメモ機能に残し、帰りのバスの中で考えることにしました。

 

そして帰りのバスで考えた結果、「密集空間にいるとお互いストレスを感じるので、早く距離を取りたいからではないか」という結論に至りました。

何の目新しさもない当たり前な結論なわけですが、

いわゆるパーソナルスペースのことだと気がつきました。私はエレベーターの事例でパーソナルスペースの話を聞いたことがありましたが、言われてみればバス車内の居心地の悪さもエレベーターのそれと似ています。

 

以上の話は、今までのようにスマホをいじっていては気が付くことがなかったはずです。絶え間なく流れる情報を追うことに終始し、自分の頭でじっくり考える時間がないからです。

 

変わりばえのない日常の風景でも疑問の目を少し向けてみると、新しいアイデアや思いついたり新たな発見をすることがあります。

そうして一つずつ理解したことを記録し蓄積していくことで、また新しいアイデアへとつながっていく。

 

このことは、最近亡くなられた外山滋比古氏の名著「思考の整理学」(ちくま文庫)が大変参考になります。

断片的なひとつひとつの着想は、いわば、第一次的情報である。そのままでは、それほど大きな意味をもたない。これを他の思考と関連させ、まとめて、第二次的情報にする。…(中略)…

思考の整理というのは、低次の思考を、抽象のハシゴを上って、メタ化していくことにほかならない。

(本文p77より引用)

 

使える知識とは、自分の頭を使って考えたものだけです。そうして得られた知識を他のものと混ぜたり、まとめたりすることで一段階抽象化された思考を生み出すことができる。

そのためには流入してくる情報を一時的に締め出し、自分の頭で考える時間を設けなければなりません。

 

まとめ : 通勤時間は思考するのにうってつけの環境

通勤中のオフライン化による利点は、物ごとを自由に思考する時間を取れるということだと思います。

 

そういえば普段私たちは、一つのことをじっくり思考することが少ないのではないでしょうか。

職場にいれば仕事のことを考えなければいけないし、帰宅すれば家族と一緒に過ごします。

一人暮らしで自分だけの時間があるとしても家には様々な娯楽があるはずです。

 

そう考えれば、ふと気になったそのことだけを10分以上考え続けられる通勤中は、貴重な時間であると言えます。

 

もちろん仕事で疲れて考える気力がない時だってあります。思考するにはそれなりの気力と体力を要するからです。

そういうときは、ぼーっとしても良いし、気晴らしにスマホをいじるのだって良い。

 

問題は、無意識的にスマホをいじるのが習慣になってしまうという点です。

それはスマホに時間を奪われていることと同じです。その結果、心身を疲弊しているのであれば目も当てられません。

 

通勤中のオフライン化は、SNSによって浪費・消耗する時間を見直すきっかけになると言えるのではないでしょうか。